最近感冒後に咳だけが残るという方が多く訪れます。百日咳や結核などの方もまれに居られますが、多くは咳喘息です。咳喘息は喘鳴を認めない気管支喘息のことで、その病態は気管支壁の好酸球性炎症です。好酸球はアレルギーに関与する白血球の一種です。つまり咳喘息はアレルギー疾患です。ですから花粉症と合併することが多いのです。先程出てきた呼気一酸化窒素測定検査は気管支の好酸球性炎症の程度を数字で示してくれます。とても有益な検査ですが、必ず反応するというわけではなく、これだけで喘息の診断はできません。症状や他の検査と組み合わせて、診断をしてゆきます。はっきりしないときは診断的治療と言って、まず治療をはじめてみて、その効果で判断することもあります。当院では、咳喘息だけではなく、呼吸困難、喘鳴を伴う患者さんも来院されます。その治療は吸入のステロイドが中心です。症状の軽い方はロイコトリエン拮抗剤というアレルギーを抑える薬だけでコントロールする場合もあります。しかし、多くの方は発作時ステロイドが必要となります。ステロイドというと副作用が怖いという印象をお持ちの方が居られます。内服ではなくあくまで吸入ですので全身性の副作用はほとんどありません。多くの方が安心してお使いいただけます。不安のある方はご相談ください。